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ついに、決断を下される時がきた。
コンクールメンバーの発表だ。
部長はいつものように澄ました顔をして、にこやかに発表を待っている。
田中さんは緊張した面持ちだった。
明は部長と似たような感じで、なんだか楽しそうだ。
僕は、思ったよりも落ち着いていた。
先生が僕達をじっと見渡した。
「トランペットパートのコンクールメンバーを発表する。」
先生が口を開いた。
全員が緊張のオーラをだす。
二年生や三年生の中では、両手を組み、祈るようにしている人もいる。
「一年、山田明。」
「はい!」
よしっ!と明は僕に向かってガッツポーズをする。
でもまだ喜べないのをわかっていたため、すぐに表情は引き締まった。