僕が吹いたのは、ヘンデルの『調子の良い鍛冶屋』だった。
変奏曲であるこの曲は、とても有名な一曲である。
時にはコマーシャルでも流れるし、ピアノを習っている人なら一度は聞いたことがあるメロディだ。
僕はアインザッツをして、ピアノに合図をだす。
ピアノとトランペットが同時に始まるこの曲は、伴奏者との連携は重要だ。
始めの『テーマ』は、その有名なフレーズから始まる。
人が知っている曲だからこそ難しい。
音域は高くない。
ブレスをたっぷりととって、息をコントロールする。
繰り返される『テーマ』は、『バリエーション一番』へと移る。
変奏曲なのだから、メインとなるフレーズが、どんどん展開していく。
『バリエーション一番』は、テーマを展開していったもので、少しだけメロディが変わる。