言ってしまえば取り消すのが嫌になる気がしたからだ。


けれど、心がもやもやした。



どうしてだろう。


トランペットだって、両親が習わせた。だからやってみただけなのに。



「渡辺?どうした?」


「ううん。何でもない。そうゆうことだから、皆によろしく伝えてくれないかな」


「おぅ。わかった。」




普通にスルーしてくれた山田君に少し感謝した。


あんまり追求されると、僕の心は揺らいでしまう気がした。


山田君が、いつも楽しそうにしている姿を見る度に、”僕も音楽がしたい”と思った。