山田君はそう言って自転車を漕ぎ出す。
そしてまた、僕に向かって山田君と田中さんは手を振った。
「じゃあな!」
「またね。」
本当に君たちは、一体何者なんだろう。
成績が良かったり、それなのに素行ははちゃめちゃだったり。
音色が、整っていたり。
どうしてそんなにいろんなことを楽しそうにやっているのだろう。
僕には、そんな学園生活は今までなかった。
小学生から私立の学校にに通って、少しでも態度が悪いと怒られて。
学校が楽しいなんて、殆ど思ったことがなかった。
友人を作って裏切られることがこわかった。
そんな僕と、君は正反対だと、思った。