肝がすわっていたのは山田君と田中さんだけだった。


それでも基礎練習と教則本で、あっという間に部活の時間は終了した。



「渡辺ー!また明日なー!」



学園の門をもうすぐでる辺りだった。

近くには駐車場があり、沢山の生徒の送迎車がとめてあった。


そんな場所で、後ろから元気な声をかけられる。


そこには、自転車に乗った山田君と、その後ろに乗った田中さんがいた。



僕の通う中学校”華村学園”はさっき説明した通りだ。


学校に車で来る人も少なくないし、自転車のほうが珍しいぐらいだ。




「コラー!山田、田中!車の横を乗ったまますり抜けるな!
二人乗りもするな!」


「やっべ!美鳥、飛ばすから捕まれよ!」


「わかった。」


「コラー!お前らぁー!」


「だいたい車で学校くるほうがおかしいんだっつーの!!」