”知ってるか?山田ってさ”

”えー、マジかよ”

”本当だって!この間の学力テストがトップだったんだぜ”

”は?あいつが?あんなに馬鹿そうな面してんのに!”


山田君は成績がいいようだった。

実際、まだ中間テストが返ってきていないから、詳しいことはわからない。

同じクラスだから知っている。この間行われた新入生の学力テストで学年トップだったのは事実だった。


けれど


「いいの?悪口言われてるよ」


僕は、思わずそう聞いた。

でも、彼はなんにも気にしなさそうにニカリと笑ったのだ。


「言わせとけよ。そんなの。」


楽器と関係ねぇじゃんか、そんなこと。

そういって、大切そうにトランペットを持っている。


それも、僕とは違う―――――。