この二人だけは、どうしてか話かけてくる。
他の人のように、僕を嫉んでいるわけでもないようで
へんに仲良くしようとしてるわけもない。
悪口を言われている僕に、同情をしているわけでもないし、憐れんでるわけでもない。
苦手だ――――。
この二人は、どうもわからない。
こんな場所で人とうまく付き合うなんて僕には無理だ―――。
悪態、嫉み、そんなもので包まれた僕は、人を信じる力を持っていなかったのだ。
厳格な家柄のせいか、僕と仲良くしたがる人は、初めは沢山いた。
・・・僕の通う華村学園は、成績は優秀な人が多く、財閥や政治家の娘や息子が通う、名門校だからだ。