エピローグ





本番が終わり、僕は会場にあまり詳しくはなかったので、とりあえず那音先輩にくっついていくことにした。


僕らの本番は、真昼間だったので、ロビーでお昼ご飯を食べることにした。



「どうだった?コンクール。」



那音先輩は、お弁当をほうばる。


本番のあとに、この人はなんでこんなに食べられるんだろう。


僕は正直、緊張が全くとけなかった。



自分のせいでもし金賞を逃したらどうしよう、とか、ちゃんと音がでていたか、とか、


とにかく不安で一杯だったのだ。



「大丈夫、大丈夫。俺は吟が今回すごく上手くなったこと、多分誰よりも知ってるんじゃない??」


「・・・・え?」



那音先輩はそういって、ペットボトルに口をつけた。