一度も俺を見ない愛里。


少し見えた顔には悪そうな表情を浮かべていて、そのまま学校に戻っていった。







追い付こうとする俺と、逃げるように去る愛里。




思わず、足を止めてしまった…









「秋は…意気地無しだな」






俺と二人、真琴は残って悲しそうに言う。







愛里に話しかけられなかった。



でも、さっきならいつだって話しかけれた。





タイミングだってたくさんあった…。








「…そうだな」






このまま…愛里と話せないかもしれない。


そう思うと、胸が苦しくてたまらない。






「高城さん、秋を探してたんじゃないかな…」