捺希がいなくなった俺は


   
   何もなくなった


 
  あれからすぐに陸上部も辞めた


   

  俺はずっと放心状態になった




   引きこもるようになった




   ご飯も口に運ばないようになった




  「茄優。」

  「咲来。俺最後の最後まで

  捺希を楽にできなかった


  俺はダメだな

  情けない」


  俺は咲来の肩に顔を埋めてそう呟いた


  「茄優。

   捺希ね・・・最後の最後まで闘ってたんだよ」


  「えっ??」