今まで千秋とのセックスでそうしてきたように、抜けていた薬指を足して、二本の指を入れてセックスを再開しようとした時に、香里奈は身をよじった。




「しず、痛いよ」

「え?」

「それにイッたからもういい」



視線を外して、少し恥ずかしそうにそう呟いた香里奈を見ながら、頭は未だフル回転で動いている。


確かにそうだ。香里奈は男性とのセックス経験がなくて半分処女みたいなものだから、指を二本使って入れようとするだけで痛がる。


だからいつも中指しか使わないし、何度も欲しがる千秋とは違って、一度イッてしまったら香里奈は二度目を欲しがらない。


そんな記憶と、香里奈はずっと友人で、一度もセックスしたことがなく、香里奈のそんな事情なんて聞いたこともないという記憶があったのだ。


これはもしかして、明晰夢?


そう考えるのが一番正確で、導き出した答えは限りなく正解だと思えた。


だとすれば……これは願望?


自分でも気づかないうちに、香里奈とこんな関係になりたいと望んでいるとでも言うのだろうか。