しずくの中では、友情と愛情や、欲望と不安と遠慮等、次々に他の想いが湧いてきていた。




「んっ……しず」




快楽のせいなのか、羞恥のせいなのか、らしくなく涙を流している香里奈に、愛しさと欲情と、戸惑いと罪悪感が呼び起こされる。


それでもしずくは、たくさんの想いの中から浮上してきた、希望と好奇心を優先させて行動に移すことにした。




「待ちに待った21日がきたからさ。記念に何かしようよ」




それは口実だったかもしれない。ただ、前々からそうしたかったという想いがあった。


その想いというのは、“香里奈の恋人としての自分”が、今までずっと持っていたのものに違いない。


しずくは、別の自分がやりたくて、今までできなかったことをやってみたいと思った。