本当に気分が悪かったのもあり、私はその申し出をありがたくお受けすることにしました。


何より主任、


あなたと二人で再び肩を並べて歩くことができるとは思ってなかったので


嬉しかったのです。





本当にバカな私。






一人、浮かれて。


舞い上がっていたのかもしれません。


折から雪が降っていたことも、恋心を昂ぶらせるのに絶大な効果がありました。


「良かった。電車は止まってないようだ。多少ダイヤが乱れてるけれど」


親切で優しいあなたは私の帰りの電車まで心配してくださり、ケータイで情報を調べてくださいました。


地上を走る電車は止まったりで、ダイヤは乱れ、駅で足止めを食う人々が多い中、


私が利用している地下鉄は積雪に関係なくきちんとした時間帯で走っていたようです。


私が地下鉄じゃなければ―――


なんて軽い考えを浮かべましたが、考えたら早く家に帰りたい方々には大変迷惑な気持ちでしょうね。


それでもそう願ってしまうほど


私はあなたと一緒に居たかった。






振り返ると、雪の路にはまたも足跡が二組。





二人のその間隔は、去年より少しだけ縮まった気がして





それだけで嬉しくなりました。