口元へ持っていくと、匂いを嗅いだだけで満足したような顔をした。
プッチは、決してあきらめてはいないんだ。
病気と闘っている。
私たちと一緒に居たいと思ってくれてる。
「お母さんだって、ちゃんと食べなきゃ」
私と母はむりやり食べ物を口に入れた。
「プッチ、治ったらいっぱい食べようね」
「そうだよ、治るから頑張ろうね」
それは
私たちの願いだった。
私がお風呂からあがると
プッチは母のそばにピッタリくっついて、ゴロゴロ甘えてた。
母は涙を流しながら、しきりに
「ずっと一緒だからね、安心して」と言っていた。
その日の夜中
プッチは急変した。
苦しそうな声を出しながらひきつけを起こした。
まさか
このまま………
イヤな予感がした。
「プッチ!プッチ頑張って!」
「お願い!がんばって!」
ひきつけは治まらないまま
「プッチ――――――!!」
―――――――…………
………………………
2008年3月20日
1時20分
私たちの声もむなしく
プッチは息を引きとった。
最後まで、プッチは涙を流さなかった。
生きようと必死にがんばった。
治ると信じていたから。
あきらめなかったプッチは
目を閉じなかった。