「おりこうにしてた?」
「すごく、おりこう猫だよ。甘え上手でしつけもできてるみたいだし」
母は、すっかりプッチに夢中
ずっとそばにいたらしい。
プッチは我が家のアイドルになった。
母はプッチにねだられるままに
かつおぶしと牛乳をあげていた。
「あっ駄目だよ人間の食べ物は!腎臓が悪くなっちゃうんだよ」
慌てて、かつおぶしの袋を取り上げた。
「そうなの?知らなかった」
猫だって人間と同じ病気にかかる。
予防できるものは予防しなきゃ。
猫は20年くらいしか生きられない。
それなら健康に気をつけてあげて
少しでも長く生きてほしい。
すっかり家に慣れた頃。
病院に連れて行って、精密検査とワクチンも接種した。
どこにも異常が無いと言われて安心した。
血液型はA型
猫ちゃんの多くはA型らしい。
推定年齢は3才だった。
人間の年齢に表すと32才くらい。
「プッチ若いんだね~、まだまだ長生きできるね」
「うん、ず~と一緒だよ」
私と母とプッチは笑顔で帰宅した。
病院が怖かったプッチは、少し疲れたみたいで仰向けになって、ぐっすり寝てる。
本当に人間と同じだね。
プッチ、お疲れ様。
プッチは寂しがり屋の猫だった。
毎日、母と一緒にいる事もあって
いつも母の後ろをくっついて歩く。
雑誌を読むと、その上に乗ってくる。
トイレに行ってもドアの外で待ってる。
お風呂に入ってるときは、洗濯機の上で待ってる。
だからつい、お風呂を早くあがっちゃう。
いつも夜9時を過ぎると、元気いっぱいで部屋中を駆け回る。
この大運動会は、朝の5時にも行われる。
一通り暴れると、毛づくろいをして
今度は「お腹すいた」と起こしに来る。
眠いけど、可愛さに負けてつい起きてしまう。
ご飯をあげて
もう一眠り。
真夜中に、電話のボタンをピッピッピッと押して母を驚かせた事もあった。
窓からカラスを眺めては震えながら鳴くことがある。
カラスが怖いのかな?
嫌な思い出があるとか?