「はぁ…はぁ…」


〇〇〇病院
と書かれた看板を走って通過し
ナースステーションに飛びついた


「はぁ…はぁ…あの、
夢野っ…夢野あゆみはっ…!」


お母さんの名前を1人必死に叫ぶ


「緊急治療室に…」


その声だけを聞いて再び走り出す





「蓮!!」


治療室横の長いベンチに
頭を抱えて座り込む弟の蓮



「姉ちゃん、俺…」


普段は私よりもしっかりしていて
年上のような感じなのに


「大丈夫…」


そんな簡単な言葉しかかけられない
私は自分自身に言い聞かせるように

蓮に言い聞かせると


蓮は私の手をぎゅっと握った