「わりぃ…これ俺の」 「ちょっ!えぇ!?」 私の肩を引き寄せて 鋭い眼差しを男子高校生に向ける そして優しく私を抱き寄せる 右腕とは裏腹に 力強く男子高校生の胸ぐらを 掴み上げる左腕 「は…遥、さん?」 眉間に皺を寄せたまま 男子高校生が慌てて逃げるのを 目で追った後に 私を優しく見下ろした 「なに?」 そう微笑んで問い掛けられる 「い…いえ…」