「望遠鏡…見てみたいです!!」
「あぁ、望遠鏡のことなら
要が詳しいから。教えてもらって
俺ちょっと用事あるんだ…
要ー!この子よろしくな!!」
奥村先輩はそう言って
部屋を出ていってしまった
静まる部屋で要先輩が
体を起こして無言のまま
望遠鏡のある扉をあけた
「ここに座って」
望遠鏡の目の前にある
椅子を指差してめんどくさそうに
頭をかいていた
「は、はい!!」
私は慌てて椅子に座った
要先輩は私の後ろにまわって
私に覆い被さるように
望遠鏡をいじりだした
あまりの近さに不覚にも
ドキドキしてしまう…
「覗いてみて」
そう言われて馴れない手つきで
覗いてみた