「あぁ、この子は笹原 結ちゃん。
さっき中庭で会ったんだよ」

「蓮先輩・・・この人は・・?」



蓮君にしがみついて
後ろに隠れている結ちゃんは

私を不審そうに見てきた。



「わ、私は相沢 千広。
はじめまして・・結ちゃん」



一応挨拶するも、ぎこちない。

まさかこんなところで
人見知りの本能が出てしまうとは。


本当に情けない。

朝の電柱頭突きといい、
今日はツイてない。






「あなたが・・・相沢 千広」



やっとのことで聞き取れた
その声は結ちゃんからだった。

どうやら蓮君は気付いていない。