今から半年前―





私は藍川高校に入学した。




普通なら、私立のもっと良い高校に入ってもおかしくないのだけど、パパが世間を知るためにと普通の高校に行かせた。








超高級の車が学校の前で止まる。





ドアを開け、歩いているとみんなが小声で話している。






こんな普通の学校では珍しいのだろう。







私は有村財閥の令嬢、有村みなみ。






その時これが当たり前だと思っていた私は、なんだろうと周りの視線に戸惑いつつも教室の前に立った。




「友達たくさんできるといいなぁ~」





深呼吸をし、気持ちを落ち着かせる。





「よしっ」




はりきって教室のドアを開けた。