1番前を歩く瞬が振り返る事もなく、言葉を発した。
「・・・・・・検査入院だって。 それに万が一転移してたとしても70%は治るらしいし、心配ないって」
瞬の兄ちゃんが、戸惑いを隠すように精一杯明るい声を出した。
「・・・・・・骨肉腫ってさ、何パーの人間がなるの?? オレの周りには1人もいない。 オレが残りの30%に入らないって何で言える??」
「・・・・・・ッ」
瞬の言葉に、返す言葉を失う瞬の兄ちゃん。
「瞬くんは骨肉腫になっても治したから。 骨肉腫で亡くなってしまう人だっているのに、瞬くんは治したから」
サヤ子さんが、瞬を諭すように話かける。
「・・・・・・・あと、1年だったのに」
瞬が絞り出したような声を出した。