千夏は『もうちょっと一緒にいたいから、リハビリルームまで車椅子押させて』とオレの後ろに回った。
「さんきゅ」
お言葉に甘えて千夏に車椅子を押してもらう。
『オレももう少し一緒にいたい』とは、さすがに恥ずかしくて言えない。
放射線科はリハビリルームと同じ棟にあるらしく、途中まで瞬たちと一緒に行く事にした。
「アレ?? サヤ子センセと青山先生??」
前から歩いてくる2人組が、瞬の兄ちゃんの知り合いらしい。
「アレ?? サヤ子センパイ??」
そして、2人組の女の方は千夏とも知り合いらしい。
『え??』
千夏と瞬の兄ちゃんが顔を見合わせた。
「広瀬ー。 あー!!瞬くんもいるー!! アレ?? なんで安田がいるの??」
『サヤ子センパイ』らしき女性が手を振りながらこっちに来た。
「サヤちゃん、久しぶりー」
瞬が、親しげに手を振り返した。
瞬も『サヤ子センパイ』を知っているらしい。
「は?? なんで瞬がサヤ子センセの事知ってんだよ」
瞬の兄ちゃんが瞬を見た。
え?? 何この関係性。