「弟がお邪魔してスイマセン。 スグ連れて行きますんで」
瞬の兄ちゃんがオレに頭を下げた。
「今行くって」
瞬が『早く来い』と手招きする兄の方へ足を運ぶ。
「オレも行くわ。 リハビリの時間だし」
車椅子に乗るのにもすっかり慣れ、なんなく乗り移ると、千夏がドアを開けてくれた。
千夏の横を通り過ぎようとした時、千夏が『がんばって』と小声で言った。
くすぐったくて、嬉しくて。
歩けなくなってしまったけれど
オレは今きっと、幸せなんだ。
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