「何加奈子とケンカしてんだよ」
本題に入ると、広瀬がピタっと笑う事をやめた。
「・・・・・・昨日のケンカは、ワタシが全部悪かったです」
申し訳なさそうに広瀬が俯いた。
「100:0で広瀬が悪いな」
オレの追い討ちに、広瀬が更に角度をつけて首を折って俯く。
「そして、オレも怒ってる」
「・・・・・・本当にすみませんでした」
俯いたまま頭を下げる広瀬。
広瀬は今、どんな表情をしているのだろう。
「なんで広瀬の口から聞きたかった事を加奈子から聞く事になんの??」
「・・・・・・・え??」
顔を上げた広瀬は、今にも泣きそうだった。
「オマエ、どんだけオレの事好きなんだよ」
「・・・・・・・加奈子めー」
広瀬が、恥ずかしそうな、バツが悪そうな顔をした。
「加奈子に言ってもしょうがねぇだろ。 加奈子はオレじゃねぇんだから」
「・・・・・・・・」
「ちゃんとオレに言えよ」
「・・・・・・・・・」
広瀬はオレと目を合わせると
観念したかの様に口を開いた。
「・・・・・・・関屋さんの事が、すごく好きです。ワタシ」