車椅子の車輪に手をかけ転がす。
「そんな事なくねぇよ」
突然現れたオレに、2人が驚いていた。
「全部聞いた。 別れて、広瀬」
初めから広瀬の事など好きではなかったのに、広瀬に裏切られた事が悔しくて赦せない。
広瀬に、歩けない事を馬鹿にされた気がした。
言い捨てて、エレベーターへと車椅子を転がす。
「ちょっと待って、智樹」
オレを追いかけようとした加奈子の腕を、広瀬が引っ張って止めた。
「何で!?? 千夏!!」
「・・・・・誰だって嫌だよ。 こんな最低な人間」
そんな戯けた言い訳をする広瀬に、反吐が出る。
広瀬がオレの記録を塗り替えた。
最短交際期間:1日。