今日も瞬は病室にやって来た。
・・・・・・瞬に、言うべきか。
話す義務もないけれど、隠す必要もない。
「・・・・・オレ、広瀬と付き合う事になったわ」
今まで周りの奴らに彼女が出来た報告をする時って、もっと照れ臭くなったのに、今回はそれが全くない。
何か、他人事みたいだ。
「ヨカッタネ。 トモ」
瞬はもっと冷やかしてくるモンだと思っていた。
瞬はただ優しく笑うだけだった。
「・・・・・うん」
この感情は何なのだろう。
この罪悪感に似た感じは何なんだろう。
瞬を裏切っている気分になるのはどうしてなんだろう。
………広瀬を好きで付き合ったワケではないからだ。