病室に戻る。
ベッドに転がり、枕に顔を埋めた。
今日も疲れたなー。
・・・・・・・やべぇ。 寝そう。
さっさと広瀬の話を済ませて眠りたい。
「で、話って??」
眠さの余り、枕に埋まったままの顔を広瀬に向ける事もしない。
「明日、セルフカテーテルの使用方法の説明をセンセイからしてもらいましょう」
なんだよ、そんな事かよ。
「そんな話ならさっきすれば良かっただろ」
「一応、守秘義務ってヤツがあるんですよ」
「別に瞬ならイイし」
「あっという間に仲良くなっちゃって」
広瀬がクスクス笑う。
コイツは何が面白くて笑ってるんだろう。
ちょっと前まで心閉ざしてくせに・・・・ってコトか??
コイツ・・・・むかつくし。
あー。 やっぱ、全然広瀬のコト、好きじゃねーし。
「・・・・瞬のコト、どーにかなんない?? アイツ、何故かオレと広瀬をくっつけたがってんの」
「・・・・・へー」
興味がないのか、広瀬はあまり食いついてはこず、ただ受け流された。
・・・・・そりゃ、そうだ。
広瀬だって、歩けないオレと付き合いたい訳がない。
広瀬だって、オレなんか願い下げなのだろう。
なんか、眠気が覚めた。
嫌な気分になり過ぎた。
「広瀬だって、好きでもないオレの事でごちゃごちゃ言われんの、めんどくせぇだろ??」
「・・・・・別に」
「何ソレ。 もしかして、オレのコト、好きになっちゃった??」
言ってて、笑いと一緒に溜息が出た。
きっと『歩けもしないのに、何自信満々に言っちゃってんの、コイツ』とでも思われただろう。
「・・・・・・そんなの、関屋さんが退院するまで言うワケないじゃないですか」
広瀬は、本当に馬鹿なんだと思う。