「だから、広瀬のおかげとかではない」
かと言って、『瞬のおかげです』とか恥ずかしくて絶対言えない。 つーか、言わない。
「ふーん?? 余裕かましてると、来年オレが千夏ちゃん貰っちゃうカモよ??」
瞬は意地悪に笑うけど、正直『どうぞ、どうぞ』な感じである。
「オマエ、来年何かあんのかよ??」
なんで瞬は『1年後』に拘るのだろう。
「来年、超絶男前になってる予定だから」
「・・・・あっそ」
瞬は、来年の計画は頑なに秘密にしたいらしい。
まぁ、いいけど。
つーか、今のままで充分カッコイイだろうが。
「てか、今頑張れよ。 瞬さぁ、『オレの監視』とか言って毎日やって来るけど、ホントは広瀬に会いたくて来てんじゃねーの??」
『頑張ってるっつーの』
オレの何気ない言葉に、瞬が一瞬顔を歪めて小さな声で呟いた。
でも、すぐいつもの瞬に戻って
「そうだよ。 千夏ちゃん面白いから」
何事もなかったかの様に答えた。
さっきの呟きは聞かなかった事にしよう。
突っ込んじゃいけない気がするから。