「オレの事騙したわけでも何でもないんだから、口車じゃないっしょ。 実際、千夏ちゃんが言ったとおり色んな事頑張ってみたら、なんかすげぇ毎日楽しくなったし」





瞬が『ニカッ』と笑った。





「例えば??」





「んー。 とりあえず、勉強頑張ったらそれなりの大学に入れたし、障害者って就職の時『障害者枠』があるからさ。 そこそこの大学出てれば中々の
名前の通った企業に健常者より入りやすい場合があったりすんのね」





「・・・・・へー」





「オレは、千夏ちゃんが言ってた様に、ちゃんとした職業に就いてイイ女見つけて『足がなくて可哀想』じゃなくて『足がないのにすげぇ』って周りのみんなに言わせる。 絶対」





そう言うと、瞬はまた課題と格闘し始めた。





やっぱり、瞬が羨ましい。





「・・・・オレには、目指す目標がないんだよな。 大学ももう卒業したし、就職だってしてるし」






「あるでしょ。 イイ女捕まえてないじゃん」





瞬がわざわざ課題を中断して、自分の胸に両手でおっぱいの形を作るジェスチャーをした。




瞬の『イイ女』はきっと『巨乳な女』の事を言っているのだろう。