『手術中』のランプが消える。
オペ室の扉が開くと
ベッドに寝そべった、意識のない瞬と千夏たちが出てきた。
「サヤ子センセ!!」
瞬の兄ちゃんが、サヤ子さんを見つける。
「大丈夫って言ったっしょ」
サヤ子さんが瞬の兄ちゃんにピースサインをした。
瞬の兄ちゃんが安堵の表情を浮かべて、その場にへたり込む。
「安田、しっかり。 医師の話があるから、お父さんとお母さんと一緒にナースステーションの隣の小部屋に行って」
サヤ子さんが笑いながら、瞬の兄ちゃんの頭をワシワシ撫でると
「・・・・・・アリガトネ、サヤ子センセ。 やっぱ、サヤ子センセ大好きだわ、オレ」
瞬の兄ちゃんがちょっと意地悪い笑顔で、サヤ子さんを見上げた。
サヤ子さんは困ったように笑うし、青山の右眉はピクピクするし・・・・。
・・・・・・コイツら、何かある。
でも、聞くタイミングは絶対今ではない。