「・・・・・オレ、瞬から関屋くんの話聞いてたよ」
瞬の兄ちゃんが、オレを見て少し笑った。
「・・・・・・え??」
「『自分にそっくりのヤツがいて、ほっとけない』って言ってた。 瞬、足切り落とした時、手つけらんないくらい荒れたんだよ。 想像出来ないっしょ」
『大変だったー』と苦笑いしながら話す、瞬の兄ちゃん。
・・・・・ホントだったんだ。 瞬が荒れてたって。
「もうね、家族みんなアザだらけ。 広瀬さんも青アザつけられて。 ホント申し訳なかったな。 ・・・・・・また荒れるかなー」
瞬の兄ちゃんが半笑いで溜息を吐いた。
「そうそう。 落ち込んでないで、安田は瞬くんが怪我治した後の事考えないと」
青山が瞬の兄ちゃんの肩を『ポン』っと叩いた。
「万が一、瞬が暴れたらオレが止めるし。・・・・・歩けないけど」
いつのまにかオレは『歩けない』事を自虐出来るまでになっていた。
そんなオレに
「大丈夫。 アイツも1本足ないから。 あ、瞬からダンベル貰ったんだよね?? アイツが怪我治してる間に鍛えまくっといてよ」
瞬の兄ちゃんが笑った。
瞬、早く戻って来い。