「サヤ子お願い!! 今日緊急オペが入って看護師が少ないの。 瞬くんのオペ手伝って!!」
主任さんがサヤ子さんにヘルプを求めた。
「・・・・・でも、ワタシしばらく看護師離れてたし・・・・いいの??」
「サヤ子なら大丈夫でしょ!! お願い!! 万が一何かあってもワタシが責任を負う!!」
戸惑うサヤ子さんの腕を主任さんが掴んだ。
サヤ子さんが迷いながら青山に視線を送ると
青山が優しい顔で頷いた。
その顔に、サヤ子さんが頷き返す。
「ありがとう、奈々!! ワタシにも手伝わせて!!」
「サヤ子がいてくれて良かった。 ワタシ、放射線科に連絡入れてくる」
主任さんが先にナースステーションに戻って行った。
「広瀬、行くよ!!」
サヤ子さんが千夏の二の腕を持ち上げる。
それでも千夏は立ち上がれない。
「千夏には無理だ!! こんな状態で手術に携わったりしたらミスしかねない」
千夏の腕を引っ張るサヤ子さんの手を止めた。
「ミスしないで無理しなさい!! 今無理しなきゃ、後で絶対後悔する」
優しそうなサヤ子さんが、鬼のような事を言った。
「・・・・・・何だよ。 『後で』って・・・瞬が死ぬみたいな事言うなよ!!」
こんな状況でよくそんなヒドイ事がいえるな、この女。