――――――シーン....。


な・・・何?この深い深い沈黙は・・・ちょっと、何喋っていいか分かんないよ!


私から見て右隣は杏奈。左隣はというと・・・もちろん静。


えっ、杏奈、静のこと、好きなんだよね?私への嫌がらせじゃないよねぇ??
私が静のことを避けてるのは分かってるはずなんだけどなぁ・・・。


あれっ、もしかして――――・・・、


「杏奈、照れてるの?」

ちょっと小声で言ってみたけど・・・・静には、聞こえてないよね?
杏奈の反応は、

「え・・・ッ」

ほっぺたを赤くして私の発言に戸惑う杏奈。
っていうことは・・・、

「図星?」
「ちょっと!結愛さっきから意地悪!!」

へぇ~いつもハキハキしてる、あの杏奈がねぇ・・・。
意外だなぁ、本当に静が好きなんだぁ・・・!
まぁ、応援しなくちゃねっ。

・・・

「あの~ちょっといいッスかァ?」

遠慮したように言う静。びっくりした、静が突然口を開くから・・・。

「う・・・!うん・・・!どーしたの?小林くん。」

杏奈は、私と“恋バナ”するときは静のことを『静くん』と言って、
本人には、『小林くん』で対応している。
分かりやすいというか、なんというか・・・。

「あのさぁ、結愛、そんなあからさまに今まで俺の事避けてたけどさぁ、
別に・・・俺は『あのこと』気にしてねェし。」

あ・・・。

「それでも、結愛が俺に情けをかけて俺の事避けたいのならそれでもいいけど?」