プルルルル――――・・・

『もしもし、結愛?』

「杏奈には・・・・隠し事はしないでおきたいから、全部話したいの。」

『うん。ありがとう。』

「あれはね・・・私も静も、4歳の時のことなの。」




――――――――――――――――――――――――・・・
〔まもなく 2番ホームに
上り線 横浜行き急行列車が参ります。
白線の後ろに お下がり下さい〕

「ねぇねぇ、おばさん。」

「なぁに?」

「水族館に行ったら、いるかさんのショーも見ようね!」

「おれもぉー!!!」

「あっ・・・!!! 結愛ちゃん!危ない!」

グラッ・・・・・・・

「きゃぁぁぁぁ!!!女の子が線路に!!」


「もうすぐ列車が来るぞ!!」



「うゎぁぁぁぁぁぁん おばさぁぁぁぁん!!」






「結愛ちゃん!今行くからね・・・!!」

バッ・・・・・・・・・!!!


キキキィィィィィィィィィィィィィッ・・・・・・・ダンッ!


鈍い音がホームに響き渡った。


「女の子と・・・・!!若い女性が・・・・っ!!!」


「駅員さーん!こっちだーっ!!!」







「おば・・・・・・さ・・・ん?」


「ゆいあーっ、おれの・・・おれのお母さんは?」


「しずか・・・・・・っ!おばさんが・・・・『ち』!!」


「おばさんが・・・・!!しゃべってくれないの!!」