それからというもの、
私の所に男子が来ると
その男子を連れて離れてくれる。

でも、こんなことばかりしてたら
克服なんてできないんじゃ…。

「美嘉」

窓からヒョイと誰かが除きこんできた。

「ふ…風太」

「ちょっといいか?」

「うん…」

私は風太について行った。

風太は誰もいない廊下へと来た。

「涼介…だっけ?
そいつと今付き合ってるんだってな」

「う、うん。何で?」

「いや…。その…。
僕も少し美嘉のこと狙ってたんだけどってな」

「え…」

風太が私のこと?!
そ…そんなの全然知らなかった。

「それって、冗談だよね…?」

「マジだよ。
あの屋上に寝てたお前に一目惚れしてた。」

「……」

私はなんて返していいか分からなかった。

風太も私にとって
怖くない男子うちの一人でもあり、
私の秘密である男性恐怖症のことを
知ってる人物。

「あの…、本当に気づかなくてごめん」

「そんなの分かってる。
だってまだ一、二回しか
会ったことないもんな」

はははっと笑っているが
目がちっとも笑ってない。
なんか…死んだ魚のような目してる…。

「うん…ごめん」

「もぅ謝んなって。
一応告白のつもりだったんだけどさ
振られたってことでいいんだな」

「……」

私は風太に何の言葉も言えなかった。