「ん?昨日がどうしたって?」

あんまりよく聞こえてなかったみたいだ。

「何でもない」

「ふぅ~ん」

涼介はそう言うと自分の席へ座った。


沙弥は私の手をどかした。

「ぶはっ、何でとめるのよ」

「だって…昨日のこと話したりしたら
気まずいし…」

「でも、昨日のこと言えば、
それ以上のことして
もっと新密度が高くなるかも
しんないのにさぁ~」

「それが嫌なんだもん…。
何されるか分かんないから怖い」

と涼介に聞こえないように小さな声で
ヒソヒソと話した。


「美嘉ちゃん」

涼介が話しかけてきた。

「な、何?」

「…放課後、話があるんだ。
時間空いてるかな?」

「う…うん」

「そっか。じゃ、あとで」

話ってなんだろ…

私と涼介の会話を聞いていた沙弥は
ニヤけて

「そっか、そっか~。頑張ってね~」

と言って前を向いてしまった。

頑張るって何を…?