涼介は私だと気づいていないのか
ボーっとこっちを見ている。
「み…か…ちゃ…ん?」
「う…うん」
「…えぇ!?美嘉ちゃん!?」
「うん」
「どどどどどうして、僕の部屋にいるの!?
え?!え?!」
何やらパニックになってる。
「その…、今日休んでたじゃん?
だからプリントとかを届けに…」
「あ~…、わざわざ届けに来てくれたんだ。
ありがと」
なんか辛そう…。
いつもの元気がないな…。
「べ、別にいいけど。
風邪、大丈夫…?」
「おっ、美嘉ちゃんに心配されるとは
思わなかったな」
「う、うるさいっ!」
「大丈夫って言ったら嘘になるけど
朝よりは大丈夫になってきたかな」
「そっか」
会話が途切れた瞬間
「ケーキでも食べる?」
涼介のお母さんがタイミングよく入ってきた。
「あ、ありがとうございます」
「いえいえ」
部屋にあるテーブルにケーキと紅茶を置いて
部屋を出ていった。
「僕、ケーキなんて食べる気力ないんだけど…」
「じゃあ、
私ヨーグルト買ってきたけど
そっちにする?」
「うん、そうする…」
本当に元気ない…
私と涼介は沈黙の中、ケーキとヨーグルトを食べた。