次の日、
涼介はなぜか学校に来ていなかった。

「ねぇ、菊池くん風邪引いたんだってさ」

私は前の席の女子と友達になった。
名前は"沙弥"。
涼介と同じ中学で家も近いらしい。

「そうなんだ」

涼介がいたら、
怖かったり、うるさかったりするけど
いないと何か物足りなくて
少し寂しい…。

「美嘉、お見舞い行ってあげなよ」

「なっ、何で私が…」

「だって、菊池くんと仲いいじゃん!
美嘉がお見舞いに来たら、絶対喜ぶよ」

沙弥はもの凄くニヤニヤしていた。

「で…でもさ、家知らないし…」

だいいち怖い…。

「そのくらい、
うちがいくつでも教えてやるって!」

「そ…そぅ?」

「うん!
今日はどうせ午前中授業だし
終わったら行ってきな!」

「…うん」

とは言ったものの…
本当に行かなきゃ行けないとは
思ってなかった。

う~、家の前までは来たけど
ど…どうしよう…。

私が涼介の家の前でウロウロしていると

「あら?」

私は声がした方を見た。

「あなた、うちに何か用かしら?
もしかして、涼ちゃんの彼女?」

「え…!?
いや、私は涼介…くんの
ただお見舞いに来ただけで」

「お見舞いに?あらあら
さぁどうぞ入って」

私は背中を押されて家の中へと入った。

「涼ちゃんね
朝は熱が高くて死んでたんだけど
今は熱下がってるから部屋に入って大丈夫よ。
あっ、でも風邪うつされないようにね」

「分かりました」

この女の人
涼介のお母さんだよね。
綺麗だし優しいし
素敵なお母さんだな~。

トントン

「涼ちゃん、彼女さんが来てくれたわよ~」

涼介の部屋の扉を開けてそぅ言った。

「え…!いや、ちがっ…」

涼介はベットからゆっくり起きあがった。

「かの…じょ?」

弱々しい声で言いながらこっちを見た。

私は涼介のお母さんに背中をトンッと押されて
部屋へと入った。


「じゃあ、カップル同士ごゆっくり」