家具が一切置いてない空間…

元々そこには瑞希がおった。

あたしと瑞希は同じ部屋だったんだ。

兄貴が死んでしばらくして

「使わない部屋置いとくのもったいないけん瑞希ちゃん使いなさい」

とお母さんが瑞希を兄貴の部屋に移した。

別に兄貴が生き返ってくるなんて思ってないけど、そこにあたしの荷物置いたら…昔と違う部屋にしたら、あたしが兄貴を否定したんじゃないかって気になって昔と同じまんま…意固地になっとぉっちゃろうか?

「もう、お姉ちゃん!浸るのは後。はよ降りて!」

あたしは瑞希に背中を押されながら階段を降りてった。