男子生徒たちの下品な会話に、先に限界に達したのは龍真だった。


がたん、とイスから立ち上がり、



「おい、」



と声をかけた途端……。



ガン!!



大きな音がして、龍真は驚きで目を見開いた。



「いって!!」



瑛の横の空いていたイスが、隣のテーブルの男子生徒の脇を直撃していたのだ。


言葉を失っている龍真を無視し、相手は瑛に食って掛かる。



「お前、今イス蹴飛ばしただろー!!」



まさか、座ったまま蹴りでイス飛ばせるか?これ、結構重いぞ?


いや、先輩の長い足ならできそうだけど……って、違う!!


龍真は我に返る。



「なんとか言えよ、コラ!!」


「ちょ、やめ……」