「ちなみに鬼頭も彼氏できたらしいぜ」


「ってことは、まりあちゃんはあの中で一人だけフリーか。悲惨だな」



男子生徒はまりあを箸で指し、くつくつと笑った。



「一番普通に可愛いと思うんだけどな」


「たしかに、あの手足の細さであの胸は反則だわ」


「お前、顔は見てねーのかよ」



龍真は、どうして良いかわからなかった。


自分一人ならどうにかして黙らせるのだけど、目の前には瑛がいる。


そしてその瑛は、止めていた箸をにぎりしめていた。


眉間に、深いシワを刻んで。



(先輩……?)



「顔?あー可愛いわな、正統派ってやつか」


「今ならいけんじゃねーの?
クリスマス前で、相手も焦ってるだろうし」


「お前気に入ってんなら、いってみろよー。
一回でもやれりゃ、もうけもんじゃん?」