「あ、あれ見ろよ」
隣のテーブルには、男子生徒が3人座っていた。
彼らが行儀悪く、箸で指した先には、龍真のよく知っている4人がいた。
神無の女友達ご一行様だ。
(げっ……)
自分の働きぶりを、監視にきたのだろうか。
神無に限ってそんなことはないと思うが、彼女はまりあのこととなると、時々分別をなくすから恐ろしい。
「あー、2年の」
「目立つな、あの子たち。
全員可愛いってすげーよな」
「全員?あのチビは地味だろ」
「お前しらねーの?
あの子、文化祭でメガネ外してコスプレしてたけど、すげー可愛いんだぜ?」
むか。
龍真は思わず、眉間にシワを寄せた。
神無を見るな。
そう怒鳴ってやりたかったが、瑛の手前、我慢した。