「……ところで坂下、相談ってなんなんだ。

相当悩んでるみたいだが」



瑛は箸を止め、龍真の前のむざんなカレー皿を指差した。



「あ、そう、えっと……」


「?」


「その……志望校で悩んでいて……」



龍真も来年は受験生だ。


だからって、何故話題をそっちへそらしてしまったのか。



「……どことどこで、悩んでるんだ?」


「えっと……」



この人は悪い人じゃない。


そう思いながらも、龍真はなかなか素直に話し出せずにいた。


瑛は、自分の得意分野なら、親身に相談に乗ってくれる。


勉強も顔も一級品だけど、人付き合いはからっきしの三級品……。



(誰か俺に力を貸してくれ……)



龍真が祈った時、すぐ隣の席から声がした。