「先輩こそ、生徒会室で神無と何しようとしてたんですか」



まりあの噛み付くような視線に、瑛は一瞬たじろぐ。


もちろん、顔には出さないが。



「何って……」


「あんな、学校の中で、しかも鍵もかけないで……

誰が来るかわからないのに。

やらしい、最低。神無が可哀想」


「はあ?」



まりあは相手の臓腑をえぐるような言葉を捜したが、結局何も浮かばず……


精一杯の罵倒は、瑛を苛立たせただけだった。



「お前が何を言ってるのか、わからない」


「日本語ですけど。

あーそうですよね、先輩宇宙人ですもんねー」


「…………」



最低、の次は宇宙人?


なんと可愛くない女だろう。


瑛の胸にもやもやと、正体不明の苛立ちがつのる。