そんな言い方はないじゃないか。


いかにも、自分が誰にも認めてもらえない、価値のない存在みたいじゃないか。



(困った……)



うっかり話しかけるんじゃなかった。


彼女の言うとおり、本当にただの噂話ならば、

きっとまりあは朝からこの手の冷やかし攻めにあって、傷ついているのだ。


この場をどう切り抜けようか、瑛はその頭をフル回転させた。


しかし、答えは出ない。


やっと出た一言は、



「ああ、そう」



……それだけだった。



(それだけ……)



まりあは、とても不満だった。


自分が瑛にどうとも思われていないことを、確信させられた気分だった。


なんで、自分ばかりがこんなに好きなのだろう。


悲しみは苛立ちに変わり、まりあは反撃を開始した。