「どうしてくれるんですか!!」



まりあは泣きそうになりながら、瑛に怒鳴った。



「なにが?」


「こ、こんなところにつけて!!」



まりあが指差したのは、鎖骨に近い、首の付け根だった。


そこにはくっきりと、瑛が行為中に残した赤い痕跡がある。


まりあはそれに、鏡を見てようやく気づいたのだった。



「どうしよう、髪で隠れてます?」


「……ギリギリ大丈夫だな」


「もう!!」



両親に見つかったら、なんと言い訳すれば良いのか。


友達に見られたら、確実にネタにされるし。


ぶりぶり怒るまりあを見て、瑛はくすくすと笑う。



「何笑ってるんですか!」


「いや、さっきまで泣いてたのに、もう怒ってると思って。

見てて飽きないな」