神無は、笑ってうなずいた。


明日のことは、誰にもわからない。


だから、目の前のこの瞬間を、大事にしていこう。


きっと、まりあも瑛もそう思ってる。


そして、龍真も。


大事なものは、失ってから気づいても、遅いから。


全力で、大事にしなくては。



「龍真」


「うん?」


「私、龍真の彼女になれて、良かった」


「……どうした?」


「言ってみたかっただけー」



神無は龍真の手をにぎり返した。


私もっともっと、素敵な女の子になるから。


ずっと、一緒に歩いて行こうね。


笑っちゃうから口には出せないけど、神無は祈った。


この想いが、龍真に届きますように。