あー、面白い!
何、この子!
超笑える!!

まぁ、でも……、Jはこの手のタイプは苦手だったよな。

話し掛けられて、あんな態度とるなんて、解りやすすぎるだろ。

本当に可愛いな。

嗚呼、そう言えば、俺質問受けてたんだった。


「――で、先程の質問の答えですが……」

「ぇ……」

「ぁ……」


あぁ、相手も忘れてたな、これ……。




「答えるなら、‘Yes’です。私はJを知っています」

『え!』


あーぁ、言っちゃった。
これ、どうすんの?


「あぁ、宜しければ、今ここにJを呼びましょうか?」


うわーぁ、何がしたいんだ、俺……。

こんなことして、Jが来たりしたら、殺されるんじゃねぇ?




「え、良いんですか?」と目を輝かせる、夏目さんに世多さん。

これはもう、実は冗談でした☆、なんて、言えない……。


「では、ちょっと電話してみます」


そう言って、俺は席を立った。




~♪~♪~♪~♪


「……んー、うるさい。……誰?」


パーカーを忘れた翌日は、携帯の着信音で目が覚めた。


~♪~♪~♪~♪


「……………」


最初は出ないつもりだった。

が……、しつこくなり続けている。

俺は、仕方無く携帯を手に取った。




「……もしもし」

「J?お早うございます。Kです。」


――……嗚呼、出なければ良かった……。


「……何で、番号知ってんの?」

『あぁ、それは裏ルートでちょっと……』


――ブツッ


「ぁ……」


思わず切ってしまった……。
とホッとしたのも束の間―――




~♪~♪~♪~♪


……ですよね(汗)

画面を観ると、さっきと同じ番号が表示されている。


「……もしもし」

『切るなんて、酷いですよ』

「うるさい、何の用?」

『もしかして、今、起きたばかりでしたか?』

「よく分かったね。あんたの着信に起こされたんだよ」

『あはは!これはこれは、申し訳ありませんでした。お詫びにこれから食事でもどうです?』

「……………」


食事……?
怪しい……。




「何か、企んでないか?」

『いえ、何も。では、準備が出来ましたら、外の車で来て下さい』

「え、あ、あぁ」


妙な約束をしてしまった……。

てか、何で住所まで……。

まぁ、良いか。
とまぁ、こんな感じで俺は支度を始めた。




よし、何とか成功したな。
少し怪しまれたけど……。


「あ、Kさん。どうでしたか?」

「あぁ、これから来ますよ」


不安そうに聞いてくる夏目さんに、微笑みを返す。


「そうか、良かった」


世多さんも、ホッと息をついた。

勿論、別の意味で俺も息をついた。




デカイ……。

家の前に止まっている、黒塗りの車。

見るからに怪しいが、そんなことよりも、とにかくデカイ。

これに乗るの?

色々と悩んでいると、運転席側のドアが開いた。


「失礼ですが、J様ですね?」

「あぁ、うん、そう。てか、J様って何?」

「我が主人のお客様なら、当然です」


当然、なのか……?