な、何この人!?

意味が分からんのですが何してくれちゃってるの?

「あ、あの!」

「・・・少しだけ付き合って。」

はい!?いきなり初対面の人に何を言うか!!

人の事情とかに首突っ込みたくないんだけど。

しかも、頭上に雨が降った人とか運が悪い人

のはもっと関わりたくない放してくれ。

エレベーターに乗せられて無言であたしをジロジロ

見る男の人はハンカチで顔を拭く。

「ハンカチありがとう。」

わ、悪い人にはどうしても見えないよ。

でも、これは連れ去られてる感じだし、

お、伯父さんには確実にトイレ長い子

だなって思われたに違いないから戻りたくない。

「い、いえ、あの?」

絶対に悪い人じゃないって信じたい。

ゆ、誘拐なんてしたって何の特もありますまい。

誘拐すれだけ無駄だと思われるよ。

「少し待ってて。」

「えっと、?」

これ以上何か言っても意味ないのかなと

思いながら黙って時間が経つのを待った。

そういえば、大和さんどこに行ってるんだろう?

すぐに居なくなったから不安になった。

今もまさに不安でいっぱいだ。

この人信用ならないし、疑いの眼差しで

後ろ姿を見ながら1階に着いてまた手首を

掴まれて引っ張られてフロントに進む。

外に出るのかと思いきやとんでもない思わしぶりだ。

小悪魔さん男子って奴なのかい?

優しそうな顔してやりおるわ。

「悪いけど、永井は居る?

この子、靴ずれしてるみたいだから。」

「えっ?」

「痛そうなのに頑張ってるなって思って。」

そんなところ見られてるなんて思わなかった。

だから、ずっと足元見てたんだ。

何見てるんだろう?お金でも転がってるのかなって

見たけど石ころさえ転がってない綺麗なホテルだ。

大理石の柄でも見てるのかと勘違いしてた。