伊織君も何か手伝ってくれてもいいんじゃないか?
「伊織君は器用な方じゃないかね?」
「ん?」
「手先、器用でしょ?」
だったら、何かしようとは思わんか!
美味しいご飯とか作れるならば、君には朝飯前でしょうよ!
「手先は器用よ~、テクニックでイカせてやろうか?」
「お下品な会話はブロック!」
「何だよ、その手は?」
伊織君の前でバッテンにクロスさせた腕を出す。
「バリアだよ!攻防戦では時間を稼いでくれるわ。」
「オメェには残念だわ。」
「最近、ももっちが漫画の読み方教えてくれたんだ!」
全然、読めないじゃないかこの書物!
と投げやりな態度をとって申し訳なかったわ。
絵と字が同時に見れて面白かった!
あんなに面白い書物があるとはまだまだ人生の
視野の狭さにビックリしてしまったわ。
「へぇ~、ヒヨリン漫画読めるようになったのか?」
偉いなってナル君に言われた。
「カッコイイバリアのポーズは研究中だから今後の
参考にも何かアドバイスはないか?」
「・・・日和ちゃん、勉強熱心だね。」
「最早、頭が痛ぇ~わ。」
「バファリンなら所持しているぞ!」
「はぁ~」
伊織君、お疲れのようだわ。
クッションに顔を埋めてしまった伊織君を
横目に手を未だに動かしたまま。
しょうがないからあたしが伊織君の分まで
しっかりと働いてみせるわ!
「そういえば、クリスマス・イブイブの件に
つきましてはどちらで開催しますかね?」
「一応、ここでやるつもりだけど大丈夫?」
馨君がにこやかにちぃ君の湯呑に緑茶を淹れてる。
もう、良妻にしか見えないよ。
ちぃ君の奥さんになった方がいいんじゃないか!?
眠そうな目を擦りながらムクッと起き上がるちぃ君
が淹れたてのお茶をジッと見つめる。
タイミングもバッチリすぎて素敵すぎる!
馨君をお嫁さんに欲しいぐらいです。
「日和ちゃん?」
「わぁっ、馨君!良い奥さんになると思うよ。」
「日和ちゃん、頭打ったみたいだね。一緒に病院行こうか?」
馨君のブラックスマイル恐るべし!
「すいません、馨君は紳士なお兄さんです。はい、もう
二度と言いませんごめんなさい。」
何気、みんなも若干引き気味になったからその恐ろしさが
どれだけのものか理解出来た。